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相続財産には何が含まれますか?
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相続は被相続人の死亡によって開始します(民法882条)。相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(民法896条)。つまり、被相続人が死亡した際に有している現金、預貯金、有価証券、不動産などのプラスの財産はもちろんのこと、借金、買掛金、サービス利用料などのマイナスの財産も承継します。
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生命保険は相続財産に含まれますか?
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生命保険の受取人として被相続人以外の個人が受取人として指定されている場合、その保険金は相続財産に含まれません(最判昭和40年2月2日など)。保険受取人が未指定の場合には、同保険の約款に基づき受取人が決まり、やはり相続財産には含まれません(もっとも、同約款によって保険契約者の法定相続人が受取人として定められている場合には、実質的に相続財産と同様に扱うこともあります。)。保険受取人が被相続人の場合には、相続財産として扱われます。
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お墓や位牌などは相続財産に含まれますか?
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お墓や位牌などは相続財産に含まれません。慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継するとされています(民法897条)。もっとも、被相続人がその承継者を指定することも可能です。お墓や位牌などの承継者について親族間で争いがある場合には、家庭裁判所がそれを決めることができます。
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相続によって承継した土地を国庫に帰属させることはできますか?
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令和3年に「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が成立したことにより、今後は(現在施行日未定)、相続により土地の所有権を取得した者が法務大臣の承認を受けてその土地の所有権を国庫に帰属させることができるようになります。法務大臣の承認や負担金の納付などのハードルがありますが、相続手続がより柔軟になることが期待されています。